遺言書の作成が有効的なケース

遺言書を作成するべきかどうかお悩みになっていないでしょうか？
遺言書を作成するには、自分でするにしろ専門家へ依頼するにしろ、手間や費用がかかるものです。

遺言書の作成が特に必要とされるケースをご紹介します。

遺言書を作成する方（遺言者）に子供や父母祖父母などの直系尊属がいない場合には、遺言書を作成する方の配偶者と兄弟姉妹がいればその兄弟姉妹が相続人となります。
例えば、遺言書を作成する方の親族関係が妻と2人の兄弟である場合、妻は4分の3の相続割合で、兄弟2人は4分の1の相続割合で遺言書を作成する方の遺産を相続することになります。

この場合、遺言書を作成する方（遺言者）が「全財産を妻○○に相続させる」旨の遺言書を残しておけば、兄弟2人に遺産が渡ることなく、遺産の全部を妻に相続させることができます。
もちろん、相続手続きの際に、兄弟2人の同意や協力が必要になることはありません。

遺言書を作成する方（遺言者）が再婚していて、前の配偶者との間に子供がいる場合には、遺言書を作成しておくことが相続トラブルを避けるために有効です。

遺言書を作成する夫が前妻との間に2人の子供をもうけている場合、現在の配偶者（後妻）と2人の子供が遺産を共同して相続することになります。
遺言書を作成しないまま夫が他界した場合、預金の解約や不動産の名義変更をする際には、後妻と2人の子供の間で遺産分割協議をして全員が合意する必要があります。

「銀行の預金は子供に相続させる」・「自宅の土地と建物は妻へ相続させる」といった内容で遺産の譲渡先を遺言書を作成してあらかじめ決めておくことで、遺産分割協議をすることなく遺産をスムーズに承継させることができます。

遺言書を作成する方（遺言者）が、相続人以外の第三者へ遺産の承継を希望する場合には遺言書を作成しておくことが必要です。
第三者の例
（1）子供の配偶者や世話をしてもらった方
（2）株式会社などの営利法人・大学などの学校法人
（3）日本赤十字社やあしなが育英会などの法人

（1）の子供の配偶者などは、遺言書を作成する方との間では相続人とはならないため、遺言書を作成していない限りは、遺産に対して相続権がありません。
遺言書の中で「子供から子供の配偶者へ遺産の一部を譲るものとする」といった条項を設けたとしても、このような内容には、法的な拘束力がないため、子供自身が当該条項に従わない可能性もあります。

（2）や（3）の各種法人にご自身の遺産を寄付したいとご希望の場合には、遺言書を作成しその旨を決めておく必要があります。

亡くなられた方（故人）の相続人となる人は、次の親族です。
（1）子供または子供が故人より先に死亡している場合は孫
（2）（1）に該当する人がいない場合は、父母や祖父母などの直系尊属
（3）（1）及び（2）に該当する人がいない場合は、故人の兄弟姉妹または兄弟姉妹が故人より先に死亡している場合は兄弟姉妹の子供

（1）から（3）に該当するご親族が全くいない場合には、遺産は原則として国庫に帰属することになります。
もっとも、遺言書を作成して遺産の譲渡先を指定した場合には、遺言書の内容が優先されます。

遺言書の作成が有効的なケースについて、ご紹介いたしました。

遺言書の作成のことでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
初回相談は無料にて対応いたしております。