〒661-0012 兵庫県尼崎市南塚口町2丁目13番28号
〈主な対応地域〉
兵庫県尼崎市・西宮市・伊丹市など
受付時間
故人の遺産相続について手続きをする場合には、手続きの種類によって期限が異なります。
遺産相続に関する手続きの種類によっては、期限を延長したりすることができたりします。
反対に期限を過ぎてしまうと、各種税金の金額が増加したり、期限後の手続きの内容が変わってしまいます。
今回は、遺産相続の手続きに定められている期限をご紹介します。
期限がある主な遺産相続の手続きは、次の通りです。
相続放棄とは、相続放棄をした人を相続人でなかったとみなす手続きです。
相続放棄をした人には、遺産相続の効果は遡って発生しなかったことになります。
〈例〉故人が生前に多額の借金がある場合に、相続放棄をすることで相続人には借金が承継されません。
(相続の放棄の効力)
相続の放棄をするためには、家庭裁判所へ手続きを行わなくてはなりません。
そしてその期限は、原則として相続の開始(故人の死亡)を知った時から3ヶ月以内とされています。
相続の開始を知った時から3ヶ月以内の期間を、「熟慮期間」といいます。
遺産の内容や相続人同士の関係性によっては、熟慮期間内に相続放棄をすべきかどうか判断できない場合もあります。
そのような場合、相続人は家庭裁判所に熟慮期間を伸長するよう申し立てることができます。
伸長される期間は、家庭裁判所が決定します。
(相続の承認又は放棄をすべき期間)
所得税は、毎年1月1日から12月31日までに生じた所得に対して課税される税金です。
確定申告は、所得税の金額を計算して、翌年の2月16日から3月15にまでに申告・納税する手続きです。
準確定申告とは、確定申告をすべき人が死亡した場合に、相続人が1月1日から死亡した日までに生じた所得税の金額を計算し、相続の開始(死亡の事実)を知った日の翌日から4ヶ月以内に申告する手続きです。
相続税は、相続又は遺贈によって遺産を取得した個人に対して課税される税金です。
相続税の申告は、相続などによって取得した遺産の合計額が基礎控除額を超える場合に行う必要があります。
基礎控除額は、[3,000万円 + 法定相続人の数 × 600万円]で求めることができます。
〈例〉法定相続人の数:3人の場合
基礎控除額は、4,800万円となります。
財産の総額が4,800万円を超える場合には、相続税の申告が必要となります。
相続税の申告は、故人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に行うことになっています。
複数の相続人で遺産を分割する場合には、申告期限までに遺産の分け方に関して相続人全員で合意しておく必要があります。(遺産分割協議の成立)
そして、遺産分割協議が成立していると、各種特例の適用を受けることができます。
遺産分割協議が成立していない場合は、特例の適用を受けないで暫定的な相続税の申告を行います。
後日、遺産分割協議が成立すれば、更正の請求を行います。
遺留分とは、一定の相続人に対して保障されている、遺産の価額の一定割合のことです。
故人が遺言書で遺留分とは異なる割合の遺産を相続人に譲渡すると定めていても、相続人は遺留分の割合に相当する遺産を相続できるよう主張することができます。
遺留分は、故人の配偶者や子供、直系尊属(父母・祖父母)に保障されています。
逆に、故人の兄弟姉妹が相続人になる場合には、遺留分は保障されません。
保障される遺留分の割合は次の通りです。
(1)直系尊属のみが相続人の場合⇒3分の1
(2)上記以外の場合⇒2分の1
上記の遺留分の割合は、相続人全体に保障される割合です。
相続人ごとに保障される遺留分の割合は、上記の割合に法定相続分を掛けた割合となります。
相続人が故人の子供2人のみ(法定相続分は各2分の1)である場合には、相続人1人あたりの遺留分は4分の1となります。
2分の1[相続人全体の遺留分]× 2分の1[相続人1人あたりの法定相続分]
(遺留分の帰属及びその割合)
相続人のうちで遺留分に満たない額の相続財産しか相続できなかった相続人は、遺言や贈与にって相続財産を相続した者に対して、遺留分を満たすのに相当な額の金銭を請求することができます。
この遺留分を満たすのに相当な額を、『遺留分侵害額』といいます。
遺留分侵害額は、相続の開始後つまり故人の死亡した日からのみ請求できます。
相続財産に関する法律関係を早期に確定させるため、遺留分侵害額の請求権は以下の(1)と(2)の事実を知った時から1年間行使しなかったときは、時効となり消滅します。
(1)相続の開始(故人が死亡した事実)
(2)他の相続人や第三者へ故人から贈与や遺贈(遺言による贈与)がされたことで、自己の相続財産が遺留分に満たないことを知ったこと
また、相続の開始後10年を経過したときも、遺留分侵害額の請求権は消滅します。
(遺留分侵害額請求権の期間の制限)
相続登記とは、故人名義の土地・建物・マンション・別荘などの不動産を相続した人の名義に変更する手続きのことです。
相続登記などの不動産の名義変更は、現在の法律上は任意となっています。
そのため、相続人が相続登記(名義変更)を行わなかった場合は、故人名義のまま放置されてしまうこととなり、土地の有効活用ができないなどの社会的にもんだいとなっています。
そのため、所有者が不明となってしまわないように、相続登記(名義変更)の申請が義務化されることとなりました。
相続登記(名義変更)の申請の義務化は、2024年4月1日よりスタートします。
相続登記の義務化の特徴は次のとおりです。
(1)相続や遺言で不動産を相続することになった相続人は、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記(名義変更)の申請をしなければなりません。
故人の死亡の事実を知った時が起算日とはならないので、不動産の存在を知らなければ、3年の期間がスタートすることはありません。
(2)相続人が複数人いる場合で特定の相続人だけの名義に変更する場合には、遺産分割協議が必要となります。
そして、遺産分割協議がまとまった場合には、不動産の名義人となる相続人は、遺産分割協議がまとまった日から3年以内に、相続登記(名義変更)をしなければなりません。
(3)(1)と(2)のどちらの場合でも正当な理由がなく、相続登記(名義変更)をしなかった場合には、10万以下の過料の適用対象とされることになります。
相続登記(名義変更)の手続きに関しては、こちらのページもご覧ください。
遺産相続の期限について、ご紹介いたしました。
多くの方が遺産相続の期限について、分からないことが多いと思います。
遺産相続の期限のことでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
〒661-0012
兵庫県尼崎市南塚口町2丁目13番28号
阪急塚口駅から徒歩3分
9:00~18:00
土曜・日曜・祝日